テクニカルGEO
技術的なSEO・GEO監査で、AI検索への対応状況を確認
技術的なSEO・GEO監査では、検索・取得システムがページへ到達し、内容を読み取れる状態かを確認します。対象はアクセス、インデックス可否、構造、更新情報、リンク、レンダリング、ラボ環境での性能です。技術的な対応状況は分かりますが、AIに引用されるかどうかを予測するスコアではありません。
なぜ技術レイヤーが最初なのか
AIがウェブ検索や外部取得を使う場合、その取得経路からアクセスできないページは利用できません。関連するボットが遮断されていたり、JavaScriptを実行しない取得システムに空のHTMLしか返していなかったりすると、その経路では本文を参照できないためです。技術監査では、こうした前提条件を確認します。
ただし、技術監査で分かるのは「取得・解析を妨げる課題があるか」であり、引用の見込みではありません。AIは検索インデックス、専用ボット、ユーザー起点の取得、キャッシュ、学習データなどを使い分け、引用元の選び方もサービスごとに異なります。技術監査は障害を見つけるための診断として扱い、成果予測には使わないことが重要です。
AIクローラーが実際に見ているもの
確認したい点は2つあります。
1つ目は、レンダリング能力が一様ではないことです。Vercelは5億件を超えるGPTBotリクエストを分析し、JavaScript実行の痕跡がなかったと報告しました。一方、Google検索とAI Overviewsを支えるGooglebotは、クロール可能なJavaScriptをレンダリングできます。重要な本文を初期HTMLに含める方法が、複数サービスをまたぐ安全な基準です。
2つ目は、ボットごとに役割が違うことです。OpenAIでは、OAI-SearchBotがChatGPT Searchへの掲載を制御し、ChatGPT-Userはユーザー操作に応じた取得を担い、GPTBotは学習用です。Anthropicも、検索用のClaude-SearchBot、ユーザー起点のClaude-User、モデル開発用のClaudeBotを分けています。Google検索とAI Overviewsの制御はGooglebotであり、Google-Extendedは検索掲載を制御しません。robots.txtに加えて、CDNやWAFが403・429を返していないかも確認します。
Suparankuが確認すること
監査は、ドメイン全体と各ページの2つの粒度で実施します。主な確認項目は次のとおりです。
- AIのアクセス。HTTPSが機能し、
robots.txtが妥当で、対象ボットが許可され、サイトマップが存在するかを確認します。 - インデックス可能性。各ページが正しく200を返し、誤って
noindexになっておらず、妥当なcanonicalを宣言し、サイトマップに載っているかを確認します。 - 構造と意味。明確なH1、内容を表すタイトルとディスクリプション、読みやすいURL、表示内容と一致する構造化データを確認します。Googleは生成AI検索に構造化データは必須ではないと説明しており、通常のリッチリザルトや事実の機械可読化に役立つ位置づけです。
- 更新情報。正確な公開日・更新日と、タイトルに古い年号が残っていないかを確認します。更新管理上の課題を見つける項目であり、優先的な引用を約束するものではありません。
- リンクと内部構造。リンク切れやリダイレクトする外部リンクがないか、重要なページが孤立したり、クローラーが届きにくい深い階層に埋もれていないかを確認します。
- レンダリングと性能。詳細監査ではページをレンダリングし、Lighthouseによるラボ環境の性能を計測します。実ユーザーのCore Web Vitalsは、CrUXやRUMなどのフィールドデータで別途確認します。
各ページとサイト全体には、0〜100のAI対応度スコア(SRPS)が付きます。詳細監査ではSRPS+と、Lighthouseのラボ性能を示すPERFも表示されます。いずれも診断指標であり、引用確率ではありません。
「赤信号」から「修正完了」まで
定型的な修正方法を持つ技術課題には、検出結果から組み立てた実装手順が付きます。対象範囲、修正ステップ、必要に応じたrobots.txtやメタタグの例、完了条件まで確認できます。一方、回答カプセルやコンテンツの独自性など、文章の判断が必要な課題はオンデマンドでブリーフを生成します。情報表示や手動確認だけで終わる項目もあり、すべての指摘に生成済みブリーフが付くわけではありません。
実装手順は開発者へ渡したり、チケットへ貼り付けたりできます。MCP対応の外部エージェントから取得することも可能ですが、実際に変更・デプロイできる範囲は、外部クライアント、連携ツール、メンバー権限、認証情報のスコープによって決まります。修正後の監査で同じチェックが合格すれば、技術的な改善提案は自動で解決できます。ただし、その後に引用が変わっても、監査だけで因果関係を証明することはできません。
第一歩であって、ゴールではない
技術監査は、検索・取得経路がサイトへアクセスし、内容を解析できる状態かを確認するものです。その先は、ビジネスコンテキストを整え、AIの回答を測定し、PLAYBOOKの版を記録した改善提案をもとに公開作業を行い、URLを追跡して再測定します。これがAI Representation Management(ARM)の閉じたループです。技術監査はその一部であり、成果を保証するものではありません。
参考・出典
- Vercel「The rise of the AI crawler」
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」
- Anthropic Help Center「Does Anthropic crawl data from the web?」
- Google検索セントラル「AI features and your website」
- Google検索セントラル「Googleの一般的なクローラー」
- Google検索セントラル「Introduction to robots.txt」
- web.dev「Why lab and field data can be different」